ワーキングホリデーで海外に滞在するなら、ビザの申請や現地での仕事探しのために英文履歴書の用意が欠かせません。
英文履歴書は、単に日本語の履歴書を英訳すればよいわけではなく、海外向けに情報を整理する必要があります。
本記事では、これまでカナダやアイルランドでのワーキングホリデー経験があり、現地企業や外資系企業で働いた経験がある筆者が、英文履歴書の書き方を解説します。
カバーレターについてもあわせて解説するので、現地での仕事探しの際の参考にしてください。
ワーホリ用英文履歴書の書き方は2種類!

英文履歴書の書き方を詳しく見ていく前に、ワーホリビザ申請用の履歴書と、現地での仕事探し用の履歴書の違いを整理しておきましょう。
| ワーホリビザ申請用の履歴書 | 仕事探し用の履歴書 |
| ・アピールのためというより、これまでの活動履歴を示すもの ・A4 1枚に簡潔にまとめる | ・経験や実績を示し、アピールにつなげるためのもの ・A4 1枚〜2枚程度でまとめる(できるだけ1枚にまとめたほうがよい) |
ビザ申請用の履歴書は、「この人を入国させて問題ないか」というのを判断するための資料となるはずです。
そのため、実績よりも、どんな活動に関わってきたかを簡潔にまとめましょう。経歴証明書のような役割になるため、空白期間を作らないようにするのがポイントです。
一方、仕事探し用の履歴書は、「この人を採用するメリットがあるか」を見てもらうための営業資料としての役割を持ちます。
応募職種に関連する経験を示し、成果や実績を数字を使ってアピールしましょう。
どちらの履歴書も決まったフォーマットはなく、写真の添付や、年齢、生年月日、性別、配偶者の有無といった情報の記載が不要な点は共通です。
また、海外ではPCで履歴書を作成することが一般的なため、手書きはせず、PCで作成したものをPDF化、またはプリントアウトして用意するようにしましょう。

ちなみに、英文履歴書は「CV(Curriculum Vitae)」や「resume」とされますが、実際には国や目的で内容が異なります。
イギリス英語圏やヨーロッパでは、CVは就職・転職活動だけでなく、研究職への応募や大学出願にも使われるのが一般的です。それに対し、アメリカやカナダでは、resumeは就職・転職活動用、CVは学術分野用に分けて使われる傾向があります。
ワーホリ用の履歴書なら、ヨーロッパでいうCV、北米でいうresumeと理解しておけば問題ないでしょう。
英文履歴書の書き方|サンプルと解説
ここでは、現地での職探しで、カフェやレストランに配り歩く用の履歴書のサンプルをご紹介します。
サンプルの「経験の要約」部分にこれまでの海外滞在歴などを織りまぜ、職歴や学歴をしっかり書くとアイルランドやカナダなどのワーホリビザ申請用にも使えます。

決まったフォーマットはありませんが、英文履歴書では、主語(I)を省略し、動詞から文章をはじめるのが一般的です。
応募企業がしっかり定まっている場合は、冒頭に「Objectives(志望動機)」の欄を加え、志望動機をしっかりまとめるとアピールにつながります。
そのほかの項目について、以下でさらに詳しく解説します。
Work Experience(職歴)
職歴は、直近のものから順に並べて書き、関連の経験や実績をアピールする箇所です。
肩書と会社情報(会社名と所在地)、在職期間を記載し、経験や実績は数字を使って具体的に示します。
インターンの経験もここにまとめて記載しましょう。
経験や実績として書く内容の例:
- Achieved over ¥1,000,000 in monthly sales(月間100万円以上の売上を達成)
- Supported the launch of a large-scale event with over 500 participants(500人が参加する大規模イベントの立ち上げをサポート)
- Provided friendly and efficient customer service in a fast-paced environment(忙しい環境の中で、丁寧かつ効率的な接客を提供)
実績として数字が出せない場合は、3つ目の例のように、応募職に活かせる経験を書いてアピールにつなげてみてください。
その業界独特のシステムや機器を使った経験があれば、それがアピールになることもあります。
職歴欄は、応募先の企業や職種に合わせて書く内容を調整しましょう。
Education(学歴)
学歴も新しいものから順に書き、学位名や専門士名も記載します。
大学を卒業しているなら「Bachelor of (学問分野)」と学士号を記載し、院卒なら「Master of (学問分野)」と修士号を記載します。
専門学校を出ている場合は、「Diploma in (学問分野)」の形で専門士を示せば問題ありません。
学歴の書き方に詰まってしまったら、別記事の「学位、証明書、免状の書き方」も参考にしてみてください。
ワーホリの場合、応募職に関する学歴はしっかりまとめたほうがいいですが、基本的には最終学歴を書いておけば十分なことが多いでしょう。
簡潔にまとめて、職歴やスキルの欄を充実させるようにしてみてください。
Skills(資格・技能)
スキル欄には、語学力のほか、ITスキルなど、応募する仕事に役立ちそうなものをまとめます。
各内容の例:
- 語学力について:IELTS 6.5, TOEFL iBT 100
- ITスキルについて:Excel, Google Docs, POS system
- 資格について:Food Safety Certificate, Barista Training
アピールになりそうなら、別枠で「Volunteer」というセクションを設けて、ボランティアの経験を書くのもおすすめです。
英文履歴書とカバーレターの違い

最後に、英文履歴書とカバーレターの違いについてチェックしましょう。
カバーレター(cover letter)は、志望理由や意欲を示し、活かせる経験の念押しをするための応募文書です。
履歴書と別紙で用意することもありますが、メールでの応募なら、メール本文に書く場合もあります。
ワーホリ中の職探しで、カフェやレストランのアルバイトのようなポジションへの応募なら、英文履歴書があればカバーレターは不要な場合がほとんどです。
しかし、現地採用(正社員)を意識した就職活動の場合は、カバーレターが必要になります。
採用担当者が最初に目にするカバーレターは、「履歴書まで見たい」「面接に呼んでみたい」と思ってもらえるよう、フックとなるような内容を書く必要があります。
自分のアピールポイントを整理し、応募先ごとにカスタマイズして準備しましょう。
英文履歴書の書き方を押さえてワーホリに活かそう
ワーホリの仕事探し用の履歴書では、自分こそが優秀な人材であるということを一目で伝えられるよう、内容を調整し続けていくことが大切です。
ワーホリビザ申請用に作った履歴書があれば、職歴欄を充実させて、仕事探し用にアップグレードしましょう。
単語の選び方1つでよりプロフェッショナルな雰囲気が出ることや、フォーマットやデザインの変更で印象をガラッと変えられることもあります。
気になる求人を見つけたら、記載情報から必要なスキルや経験を分析し、うまくアピールにつなげられるよう履歴書の内容を調整してみてください。
あとはトライし続けることが大切です。チャンスを逃さず、ワーホリ滞在中にできることを思いっきり楽しんでくださいね。



コメント