アイルランド留学について調べると、次のような点が魅力としてよく挙げられます。
なかでも、アイルランドを留学先として検討する社会人には、日本人率の少なさを意識して選ぶ人が多い印象です。
ただ、現地で出会った社会人留学生やサポートで携わった人を見てみると、単に日本人が少ないというだけでなく、留学先に求めるものにほかの共通点もあるようです。
この記事では、アイルランドワーホリと留学サポートの経験がある筆者が、社会人留学でアイルランドを選ぶ人の共通点や留学前の準備のポイントを解説します。
いいことだけでなく注意点についても把握し、しっかりと準備を進めてみてください。
アイルランドに社会人留学する人の共通点
20代後半〜30代を中心とする社会人がアイルランド留学を検討する場合、英語の学習環境だけでなく、現地での過ごし方や環境そのものを重視するケースが多いようです。
特に、次のような価値観を持つ人がアイルランドを選ぶ傾向にあります。
- 行くなら英語に集中できる環境で学びたい
- ヨーロッパの学生と一緒に学びたい
- 滞在中にヨーロッパ旅行もしたい
- ゆったりのんびり過ごしたい
- お酒やパブ文化も楽しみたい
以下では、それぞれの価値観を深掘りしつつ、実際の感覚や注意点を解説します。
行くなら英語に集中できる環境で学びたい
日本人の少ない環境でしっかり英語を学びたいと考える人は、アイルランドを留学先に選ぶ傾向があります。
アイルランド留学の特徴としてよく挙げられるのが日本人比率の低さ。
外務省の「海外在留邦人数調査統計(P.7)」によると、アイルランドにいる日本人は3,000人前後(うち約1,000人が永住者)とのこと。
また、アイルランドでは、日本人比率を1〜5%程度とする語学学校が多く、主要な留学先の国と比較して、日本人比率が少なめな傾向にあります。

ダブリンに人が集中していることもあり、街中で日本人と思われる人とすれ違うこともありますが、「日本人ばかり」という感覚はありませんでした。
とはいえ、日本人が少ない環境にこだわるなら、学校選びも重要です。
日本人に特に人気のある学校では、レベルによってはクラスに日本人が3〜4人いる場合もあります。
留学エージェントの情報も参考に、日本人率が低めの学校を選んだり、上級クラスやビジネス英語コースを目指したりすることも検討しましょう。
ヨーロッパの学生と一緒に学びたい
多国籍な環境での学びを希望するなかで、ヨーロッパの学生と一緒に学んでみたいと考える人も多いでしょう。
アイルランドの語学学校では、特に夏にヨーロッパからの短期留学生が増える傾向があります。
ただし、ここも学校選びが重要なポイント。
アイルランドは、ブラジルやメキシコなど中南米の留学生にも人気があります。学校や時期によっては、思ったよりも周りに中南米の学生が多くなることもあります。

中南米からの学生は、学生ビザで長期留学しているケースが多く、格安校など比較的費用を抑えやすい学校に集まりやすい傾向がありそうです。
学校によって国籍比率は変わるため、国籍バランスについても事前確認がおすすめです。
滞在中にヨーロッパ旅行もしたい
海外旅行が好きな人の場合、留学とあわせてヨーロッパ各国を旅行したいと考える人も多い印象です。
アイルランドには「Ryanair」や「Aer Lingus」といったLCC(格安航空会社)があり、周辺地域を低コストで旅することが可能です。

だいぶ昔になってしまいましたが、LCC利用でベルギーに往復4,000円ほどで行けたこともありました…!(今は円安、サーチャージ高騰でここまでは厳しいですね 汗)
セール時期や繁忙期を外した時期で狙うと、だいぶ予算を抑えて旅行しやすくなります。
また、お隣の北アイルランド(🇬🇧)まではバスでも行けてしまいます。(アイルランドからイギリスに行く場合はETAの取得が必要です。必要条件は事前確認しましょう!)
ヨーロッパの国々を多く見て回りたいなら、アイルランドは魅力的な留学先のひとつです。
ゆったりのんびり過ごしたい
社会人留学でアイルランドを選ぶ人のなかには、忙しい日常から少し距離をおき、自分のペースを取り戻したいと考える人も多いかもしれません。
アイルランドは、首都のダブリンでも比較的コンパクト。
イベントやパブ文化などの楽しみはありますが、ロンドンのような大型都市型のエンタメや、カナダのような大自然アクティビティがたくさんあるタイプの国ではありません。

実際に過ごすと、刺激を追い続けるより、現地の日常そのものを楽しむ感覚に近い気がします。カフェでのんびり過ごしたり、公園でぼーっとしてみたり。
音楽や文学、スポーツ観戦など、暮らしのなかでじっくり楽しめるものは多く、落ち着いた時間を過ごしやすい環境だと思います。
現地の暮らしそのものを味わってみたい人にとって、アイルランドは相性のよい留学先になるようです。
お酒やパブ文化も楽しみたい
ギネスビールやウイスキーが好きな人、パブ文化に興味がある人にとって、アイルランドは有力な留学候補地になるでしょう。
語学コースの合間にウイスキー蒸留所を巡るのも、アイルランド留学ならではの楽しみ方です。
とはいえ、「お酒好きの人向け」ということではありません。現地のパブ文化はお酒が苦手な人でも楽しめるものです。
アイルランドらしい食事を提供するパブや、歴史ある内装が魅力のパブなど、お酒をメインの目的にしなくても、雰囲気を十分に楽しめます。

ラグビーやアイルランドの伝統スポーツの「ハーリング」など、スポーツ観戦の熱狂を味わいにパブに行くのもおすすめです。
「ギネスビールが苦手だったけど、本場で飲んでハマった」という人も多いもの。現地で試してみるのも、留学中の楽しみのひとつになりますね。
アイルランドへの社会人留学の際に気をつけたいこと
共通点に見られるようなおすすめのポイントに加えて、気をつけるべき点もチェックしておきましょう。
主に次のようなポイントでは、実際を知り、対処法や注意点を意識しておけると安心です。
- 天気・気候
- 治安
- 家探し
- 生活コスト
天気・気候は備えで乗り切る
アイルランドの天気は変わりやすく、1日のなかに四季があるといわれるほど。
シャワーのような短時間の雨が何度も降る日もあり、雨が多い印象を受けることもあるでしょう。
気圧の変化で体調を崩しやすい人にとっては、辛い日もあるかもしれません。対策として、ホットアイマスクやネックピローなどを用意しておくと安心です。
また、霧雨や突然の小雨でのストレスを減らせるよう、フード付きのジャケットを用意しておくのをおすすめします。
雨が比較的多いアイルランドですが、きれいに晴れた日は過ごしやすく、街並みや緑もより印象的に感じられます。
夏季は夜10時頃まで外が明るく、公園やテラス席で友だちと過ごすのもいいもの。
気候はコントロールできないので、服装や持ち物を工夫しながら過ごしていきましょう。
治安は楽観しすぎない
アイルランドの治安は比較的安定しているとされ、留学先としても選びやすい国のひとつです。
とはいえ、夜のひとり歩きを避けたり、貴重品の管理を徹底したりするなど、防犯意識を持っておくことが大切です。
日本と比べれば、スリや置き引きなどの軽犯罪は起こりやすく、地域や時間帯によっては注意が必要になります。

とはいいつつ、実はアイルランド滞在中、図書館でパスポートのコピーを取り、そのままパスポートをコピー機に忘れてとても焦ったことがあります…
幸い無事に戻ってきましたが、これは本当に運がよかった話。油断は禁物です!
長期留学の場合、特に現地での生活に慣れたころに気が緩みやすくなります。気を抜かないよう心がけましょう。
家探しは行動力で差をつける
アイルランドの家探しでは、とにかく行動が重要になります。
アイルランドでは家不足の問題があり、家探しの難易度は高めです。
問い合わせを送っても返信がないというのはよく聞く話。(聞いた話では、入居者を募集する家主のもとには100通を超えるメッセージが届くこともあるとか…)
そのため、現地での家探しでは、「何十件も連絡するもの」と考えておき、ある程度数を打ちながら動く意識を持っておきましょう。
また、連絡や交渉の際には英語でのスムーズなコミュニケーションが不可欠です。
長期留学で現地での家探しを考えているなら、日本にいるうちから英会話力をしっかり鍛えておきましょう。
生活コストは余裕を見ておく
アイルランド留学の費用は、少し余裕をもって見積もっておくのがおすすめです。
比較的コース費用を抑えやすいとされるアイルランドですが、現地の物価は日本と比べると割高に感じられることも少なくありません。
2026年時点のアイルランドの最低賃金は€14.15(€1=185とした場合、約2,600円)。
最低賃金が高い分、人件費やサービス費用も上がり、日本より高く感じやすくなります。(最近では円安の影響も強いですね…)
学校費用や滞在先の費用は事前に確定できますが、現地での食費や交通費、交際費で変動が出やすくなります。
お金の心配で現地でやれることを制限してしまわないよう、節約できるところはうまく調整しつつ、資金に余裕を持たせておきましょう。
アイルランドへの社会人留学で失敗しないために
限られた時間で留学する社会人の場合、現地での時間を無駄にしないためには、事前の英語力強化が不可欠です。
留学の目的のひとつは英語力を伸ばすことですが、現地での生活や体験を楽しむには、ベースとなる英会話力が欠かせません。
たとえば、語学学校では初日にテストでクラス分けがあります。日本人の場合、文法力が評価されて上のクラスに入ったものの、クラスメートの会話力が高く、レベルが合わないと感じるケースはよくあります。

実際、語学学校で働いていたときにも、「会話についていけないのでクラスを変えてほしい」と相談を受けることがありました。
また、家探しや仕事探しでは、大家さんとのやりとりや面接など、英語でのスムーズなコミュニケーションが求められます。
現地に到着してから、クラスの友達づくりや仕事探し、家探しなどですぐ動き出すためには、できるだけ毎日英語でアウトプットする習慣をつけましょう。
毎日の積み重ねを意識するなら、スケジュール調整しやすいオンライン英会話を活用するのがおすすめです。
アイルランドへの社会人留学のFAQ
最後に、アイルランドへの社会人留学によくある質問とその回答を簡単にまとめます。
Q. イギリスとアイルランドで迷う場合は?
A. 何を重視するかによりますが、留学中にどんな時間を過ごしたいかを考えると選びやすくなります。
- イギリス:ミュージカルや美術館、スポーツ観戦、観光など、都市型のエンタメや歴史を幅広く楽しみたい人向け
- アイルランド:費用を抑えつつ、落ち着いた環境で現地の日常や文化をじっくり味わいたい人向け
アイルランドにも音楽や文学、パブ文化などの魅力がありますが、その楽しみ方は「じっくり味わう」感じが強いかもしれません。
見たい景色やわくわくするものがあるかなど、直感を信じて選ぶのもおすすめです。
Q. どの都市への留学がおすすめ?
A. 目的により異なりますが、利便性重視なら「ダブリン」、落ち着いた環境を好むなら「コーク」や「ゴールウェイ」がおすすめです。
- ダブリン:
– 語学学校が集中し、自分に合った学校やコースを選びやすい
– 日本人向けの情報を比較的見つけやすい
– 求人が多く、長期留学で仕事をしたい場合に有利 - コーク:
– 適度な都会感があり、生活の利便性も高い
– ダブリンより落ち着いた雰囲気
– ダブリンに比べて家賃や生活コストを抑えやすい - ゴールウェイ:
– より伝統的な文化に触れられる
– コンパクトで歩きやすく、のんびりした空気感がある
– 長期より短期〜中期留学で選ばれることも多い
Q. ホームステイと寮はどちらがいい?
A. 滞在形態は、何を優先したいかで向き不向きが変わります。
費用面で見ると、食事付きのホームステイのほうが安くなることが多いです。
一方で、門限や生活ルールに不安があったり、人に気を遣いやすかったりする場合は、寮のほうが快適に過ごせる場合もあります。
滞在期間や予算を含め、自分の重視する面を整理して選ぶようにしてみてください。
アイルランドへの社会人留学は「ズレてる」より「知られていない」だけ
私自身、アイルランドへの留学やワーキングホリデーの話をすると、
「アイルランドってどこだっけ?」
「英語って通じるんだっけ?」
…などなど聞かれ、国そのものの説明から始まることも少なくありませんでした。
留学先以前に、一般的にまだ少し知名度が低めなアイルランド。(アイスランドだとイメージ持てる人はいるのにね…)
派手さのある留学先ではないかもしれませんが、まだ少し「マイナー」な存在だからこそ、落ち着いた空気感に魅力を感じる人には心地よく感じられるはずです。
せっかく社会人留学でアイルランドを選ぶなら、英語力や資金面などの準備をしっかり整えて、現地での時間をぜひ楽しんできてください。







