ここでは、アイルランドにワーホリ経験があり、アイルランドの語学学校でも働いた経験があるたびわ(@tabi_wa)が、アイルランドへの語学留学に必要な学生ビザの知識と申請の情報をまとめています。
アイルランド入国管理局のページ(Immigration Service)ともリンクさせてまとめているので、このまとめを参考にしつつ、さらに詳しい情報や最新の情報についてはリンク内の情報も確認するようにしてください。
アイルランド留学のためのビザ
アイルランドに滞在するためのビザにもいくつか種類がありますが、アイルランドに語学留学するとなった時、ビザ(査証)は主に以下のものがあります。
- 観光ビザ(90日未満の滞在の場合)←特別な手続きなく取得可
- 学生ビザ(90日以上〜8ヶ月の滞在の場合)←渡航前に準備が必要
- ワーキングホリデービザ(1年の滞在の場合)←渡航前に準備が必要
ここでは、その中でも語学留学の場合の学生ビザにフォーカスして情報をまとめていきます。
アイルランドの学生ビザ 申請方法
語学学校に通う場合に申請するアイルランドの学生ビザには、主に以下の特徴があります。
- コース受講条件を満たせば申請可能
- 週20時間まで就労可能(6月〜9月、12月15日〜1月15日の期間は週40時間の就労も可能)
- 現地での申請が必要 *日本からの申請不要
- 8ヶ月のビザ(うち8〜10週間はホリデーとすることができる)
- 2回まで更新が可能で、最長2年まで滞在期間延長が可能
アイルランドではビザの種類をStampで分け、学生ビザは「Stamp 2」に分類されます。
(条件によってはStamp 2Aという、就労ができない学生ビザもありますが、ここではStamp 2についてまとめていきます。)
学生ビザは「現地申請」とは言いますが、学校からの入学書類など日本にいるうちから準備をして、入国時に必要書類を提示する必要があります。
入国の段階で必要書類を提示することで、のちに学生としての滞在形態に切り替えが可能なスタンプ(ビザ)をパスポートにもらうことができます。
アイルランド入国前の準備
アイルランドへの語学留学での学生ビザ申請のためには、以下の条件があります。
- 25週間以上のコース申し込み
- 週15時間以上でのコース受講
- 85%以上の出席率(ビザをもらってから守るべきルール。守れないと学生ビザでの滞在を続けられなくなります。)
- コース修了時に検定試験の受験(ビザをもらってから守るべきルール。)
コースは Interim List of Eligible Programmes (ILEP) に掲載されている学校のものである必要もあります。
留学エージェントが紹介する語学学校はILEPの学校ばかりなのでそんなに心配はいりませんが、気になる場合は、入管管理局のページで簡単に調べることもできます。(リストの欄にある検索ボックスに学校名を入れて情報が表示されれば、ILEPの学校ということになります。)
学校への申し込みと支払いを済ませて、学校から入学許可証(=LOA:Letter of Acceptance またはEnrollment Letter)をもらっておきます。
他に語学学校経由での手配または自己手配で以下も準備が必要になります。
- 滞在期間をカバーする医療保険
- 滞在先
アイルランド入国時の手続き
アイルランド入国時は、以下の書類をすぐ提示できるよう準備をしておきましょう。
- 学校の入学許可証
- 滞在期間全てをカバーする医療保険(学校提携の保険加入の場合は、保険証自体ではなく、保険加入を証明するレターを提示する場合もあります。)
- €4,500の資金証明(日本円で70万ほど。6ヶ月以下の滞在の場合は、一月あたり€500で計算して資金証明を準備します。)
入国時に入学許可証を見せ、入国の目的を「Study(勉強)」と伝えることで、現地で学生ビザの申請をすることが可能となるスタンプ(ビザ)をパスポートに押してもらうことになります。
これまで、入国時にビザが必要ない学生については、資金証明の必要額は€3,000とされていましたが、2023年7月1日からは資金証明の必要額が€4,500に変更になっています。
資金証明
以前は、資金証明は現地でのビザ申請時に提出とされていたのが、現在は「入国時に資金証明の提示をする」ようにといった記載に変わっています。
if you did not need a visa to come to Ireland, you must also prove that you can support yourself financially after you arrive here. You do this by showing at the time of arrival in the state you had direct access to:
€4,500, if you are staying for more than 6 months*
https://www.irishimmigration.ie/required-documents/#stamp2
€500 per month or €3,000 (in total) if you are staying 6 months or less.
また、入国時に提示を推奨される書類についての案内ページの、Financesのセクションには以下のような記載があります。
https://www.irishimmigration.ie/suggested-documents-to-present-at-border-control/
- An original up-to-date bank statement covering the last 6 months
- Note: You may use a printed internet statement but it must be officially certified by your bank. We will not accept uncertified internet statements.
つまり、「過去6ヶ月間の記録を載せた最新の銀行取引明細書」で、かつ「アイルランド国外の銀行発行のものについては銀行によって正式に証明されたもの」を提示する必要がありそうです。
取引明細書については、ユーロ建発行ができるのがベストですが、難しいのではないかと思うので、€4,500(または€500×滞在月数)の資金を証明するユーロ建の残高証明書などを用意するのが安心なのかもしれません。
銀行からの正式印が押されていれば正式性の証明は可能かと思います。
アイルランド入国後の手続き:現地申請方法
アイルランドに無事入国したら、パスポートに押されたスタンプの期限「3ヶ月」が切れる前に、GNIB登録を行います。
入管側のシステムの都合で、一時期は、ダブリンでのGNIB予約が取れないと困っていた人も多くいましたが、最近は申請方法に変更もあり、以前よりはスムーズに予約が取れるようになっているようです。
ダブリン、ウィックロー、コーク、リムリックなどの指定エリアに住む人は、Burgh Quayオフィスへ電話で申請登録予約を行います。指定エリア以外の地域に住む人は、近くの警察署に電話またはメールで予約をします。
GNIB登録 必要書類
- パスポート
- 学校からの入学許可証(=LOA: Letter of Acceptance)
※コースは週15時間以上、9:00〜17:00の時間帯内で25週間スケジューリングされているもの - 学校への支払い証明(領収書でも可 ※入学許可証に「全額支払い済」と記載があるのでもOKです。)
- 医療保険加入証明
- 申請料€300
※クレジットカードまたはデビットカード払いに限られます
必要書類を提示して新たにパスポートにスタンプを押してもらい、GNIB登録が無事完了すると、後日、IRPカード(Irish Residence Permit Card)が届きます。
アイルランドの学生ビザは更新・延長できる?
アイルランドの学生ビザは8ヶ月単位で発行されます。
学生ビザは更新(renewal)することも可能で、現地での申請によりさらに8ヶ月アイルランドに滞在することができます。
更新手続きは最大2回可能なので、8ヶ月→8ヶ月→8ヶ月で、最大24ヶ月までアイルランドでの滞在を延長することが可能です。
アイルランドの学生ビザの豆知識
- コース開始前のホリデー取得は不可
→ 8ヶ月の滞在のうち8〜10週間をホリデーとして、学校に通わない期間を持つこともできますが、このホリデーはコース開始前にとることはできません。 - アイルランドへは学生として累計最長7年滞在することができる
→ 語学留学で学生ビザでの最長滞在期間2年を終えた後もアイルランドに学生として滞在することを希望する場合は、ILEP掲載の高等教育機関プログラム(カレッジや大学等)に入学する必要があります。
学生ビザでアイルランド留学
以上、語学学校に通う場合のアイルランドの学生ビザについてまとめました。
アイルランドの学生ビザの強みは、就労が可能なこと。とはいえ、就労のためにはある程度の英語力が求められます。
英語を学ぶためにアイルランドに行くとはいえ、日本にいるうちから英語の学習を進め、英語の基礎固めをして留学できた方が現地でできることも広がります。
ビザのことはもちろん、英語の方も準備を進め、素敵な留学ライフを送れるといいですね!
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