日本のパスポートは最強と言われ、日本のパスポートを持っていれば、特別なビザの発給なしに191もの国に行くことができます。
でも、最近は、電子渡航認証システムといって、ビザの免除をされる国からの渡航者の適格性を判断するために電子システムを採用する国が増えています。
オーストラリアはETAS、アメリカはESTA(2009年〜)、カナダはeTA(2016年〜)、ニュージーランドはNZeTA(2019年〜)を導入しています。
ヨーロッパの中でも、シェンゲン協定国への渡航については、現在、ETIASという欧州渡航情報認証システムの導入が検討されています。
ここではそのETIASについて解説します。
ETIASとは?
ETIASとは、European Travel Information and Authorization System(欧州渡航情報認証システム)の略称です。
ヨーロッパの中でも、シェンゲンビザ地域への入国に際して、パスポート情報をユーロポール(欧州警察機構)などから照会し、審査が行うというものです。
☞ シェンゲンビザ地域って?
シェンゲンビザ地域、またはシェンゲン圏とは、シェンゲン協定に属する26のヨーロッパの国からなる区域です。
EU加盟国28ヵ国と重なる地域もありますが、ノルウェー、アイスランド、スイス、リヒテンシュタインの4つの非EU加盟国も含まれます。
☞ シェンゲンビザ加盟国(2020年現在)
アイスランド、イタリア、エストニア、オーストリア、オランダ、ギリシャ、スイス、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、チェコ、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、フランス、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、マルタ、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、リヒテンシュタイン
日本国籍の人は、引き続きビザ免除でシェンゲンビザ地域への渡航が可能ですが、旅行前にETIASの申請・許可を取っておかなくてはならないということです。
ETIASについて知っておくべき3つのこと + 1
ETIASの概要がわかったところで、もっと詳しくみていきましょう。
1. 申請方法
申請のステップは以下の通り。
- 申請者の情報をオンラインフォームへ入力
- 申請費用の支払い(カード支払いのみ)
- 審査が行われ、承認を受けてETIASが発行される
オンラインフォームには、名前や生年月日、パスポート情報の他、犯罪歴等の情報を入力します。
オンラインで10分程・・というか、10分で終われないとページの期限切れが来て1から入力し直しになるようです。
まだ、正式発表ではないようですが、申請料は€7(約800〜1,000円)とされており、決済はクレジットカード(おそらくデビットカードも)のみとされています。
申請情報を間違えてしまった場合は、再度申請が必要になります。
2. ETIASの有効期限
ETIASの有効期限は3〜5年です。(公式サイトの案内に3年と5年、両方の記載があります・・。)
ただし、登録したパスポートの期限がその前に切れる場合は、そちらの期限が優先されます。
入国回数については制限がないようですが、シェンゲンビザの決まりである「180日間で90日以内の滞在」という点を守必要があります。
3. 長期留学・ワーホリの人のETIAS
ETIAS導入となった時、学生ビザやワーホリビザ、その他のビザを持っている日本国籍の人はどうなるのかという話になってくるかと思います。
ETIAS公式サイトにシェンゲンビザについての記載があり、それを参考にすれば、その国から出されているビザが優先され、ETIASの取得は必要ないと読み取れます。
ビザ免除国籍者でシェンゲンビザを保有している方は、シェンゲンビザの有効期限が切れた後にE.U諸国への旅行を検討している場合はETIASの申請が必要です。
E.U諸国への旅行にシェンゲンビザの申請が必ず必要な国籍保有者は、通常通りシェンゲンビザの申請が必要になります。
http://etias-euvisa.com/en/etias-faq/
イギリス・アイルランドへ行く場合のETIAS申請
イギリスもアイルランドも、シェンゲン協定国ではないので、ETIASの対象とはなりません。
EU加盟国とシェンゲン協定国が混乱しやすいですが、現在イギリスはEUを離脱・シェンゲン協定非加盟国、アイルランドはEU加盟国・シェンゲン協定非加盟国です。
ただし、どちらの国も、本格施行時までにシェンゲン協定加盟を決めていたら、ETIAS対象国となります。
ETIASの最新情報をチェック
ETIAS(欧州渡航情報認証システム)について書いてきましたが、このシステムはまだ検討段階です。
今後、さらに詳しい情報がアップされていくと思うので、しっかり情報収集して施行の時に備えつつ、実際の渡航時にはスムーズに手続きを進められるようにしたいですね!
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