アイルランドの映画を紹介する時、絶対に外したくないのがカートゥーン・サルーン作品です。特に、ケルト3部作と言われる作品たちはどれも独特の美しい世界観があり外せません。
ここでは「アイルランドの」と聞くとついつい反応してしまうたびわ(@tabi_wa)が、大好きなアイルランドのアニメーションスタジオ「カートゥーン・サルーン」についてまとめます!
アニメーションスタジオ「カートゥーン・サルーン」
カートゥーン・サルーン(Cartoon Saloon)はアイルランド南部・キルケニーを拠点とするアニメーションスタジオです。
大学の同級生3人で1999年に立ち上げられたのだそうで、カートゥーン・サルーンが過去に制作した長編作品は、今のところ全てアカデミー賞長編アニメ映画賞にノミネートされています。
カートゥーン・サルーン作品
カートゥーン・サルーンの作品は、まるで絵本が動き出したような描写と、プロジェクションマッピングを思わせるような光を取り入れた描写が特徴的です。
カートゥーン・サルーン長編作品:ケルト3部作
『ブレンダンとケルズの秘密』『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』『ウルフウォーカー』の3つの長編アニメ映画はカートゥーン・サルーンのケルト3部作とされています。
『ブレンダンとケルズの秘密(The Secret of Kells)』
『ブレンダンとケルズの秘密』は2009年公開作品で、アイルランドの国宝「ケルズの書」を題材にした作品です。
ケルト紋様などがプロジェクションマッピングのように画面上にあしらわれ、映像がとても美しい作品となっています。
『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた(Song of the Sea)』
『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』は 2014年公開作品です。海に入るとアザラシに姿を変えるセルキーという妖精が登場し、アイルランドの神話をベースにした物語になっています。
アイルランドの音楽もたくさん聴ける作品です。
『ウルフウォーカー(Wolfwalkers)』
『ウルフウォーカー』は2020年発表の作品で、ハンター見習いのロビンとウルフウォーカーのメーヴの友情を描いた物語です。アイルランド・キルケニーに伝わる、眠ると魂が抜け、オオカミになるという「ウルフウォーカー」の伝説を題材に描いた作品になっています。
配信系ではApple TV+でのみ公開されているようで、他はBlu-rayで見るしか方法がないようです。最近では、ケルト3部作のBlu-rayをまとめたコレクターズボックスも発表されました。
アイルランドやイギリス、日本の物語において、絶滅したオオカミが物語の中でどう語られるかを解説するこちらの本も関連でオススメです!(『ウルフウォーカー』についても解説があります!)
カートゥーン・サルーンの長編作品:その他作品
ケルト3部作以外では、『生きのびるために(The Breadwinner)』という、タリバン政権下での過酷な現実を描いた2017年公開の作品の他、2022年にはNetflix作品として『My Father’s Dragon(エルマーのぼうけん)』をアニメ映画化しています。
『エルマーのぼうけん』は日本でもNetflixで見ることができます!
『エルマーのぼうけん』の予告編。
*ストーリーは原作通りではないようですが、キャラクターや世界観はカートゥーン・サルーンらしい作品になっています。
テレビアニメシリーズの『Puffin Rock』も、邦題『ウーナとババの島』としてNetflixで見ることが可能です。
カートゥーン・サルーンの短編作品
英語またはアイルランド・ゲール語(アイルランド語)での公開のみですが、短編作品もあります。
Cúilín Dualachは全編アイルランド語の作品で、最初見た時、絵のタッチも少し不気味と思ったりもしてしまったのですが、なぜか今では何度も見たい作品になっています。
10分ほどの作品なので、試しに見てみてください。
短編作品はYouTubeで公開されていて、カートゥーン・サルーン公式ページでも紹介されています。
(一部予告のみのものもあります。)
カートゥーン・サルーンのサイトをチェック: https://www.cartoonsaloon.ie/short-films/
カートゥーン・サルーンに注目
カートゥーン・サルーンはこれからもたくさんの魅力的な作品を生み出していくであろうアニメーションスタジオです。
とにかくケルト3部作の世界観が素敵で、いつかジブリパークのように、アイルランドにカートゥーン・サルーンのスタジオ見学か、映画の世界観に触れられるような施設ができたらうれしいなと個人的に思ってしまいます!
今後のカートゥーン・サルーン作品にも期待したいですね。
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