アイルランドの話をするとよくアイルランドの英語についても聞かれます。
- アイルランドの英語ってどんな感じ?特徴は?
- 訛ってるの?聞き取れないって本当?
- その前に、そもそもアイルランドって英語通じるの?
これを書いているたびわ(@tabi_wa)も、アイルランドに行ってみるまで、アイルランド英語についてはあまりよくわからずでしたが、今やワーホリで現地で生活してみたり、働いてみたりで、アイルランドの英語もわかるようになりました。
ここでは、実際にアイルランド英語に触れた経験を元に、アイルランド英語の特徴や聞き取りのポイントを解説したいと思います。
アイルランドって英語なの?
そもそものところ、アイルランドで英語は通じるのかというところですが、アイルランドの第1公用語はアイルランド・ゲール語、第2公用語は英語です。
第1公用語をアイルランド・ゲール語とはしていますが、実際は、英語が広く使用されています。
(エリアは絞られますが、アイルランドには今でもアイルランド・ゲール語が主要言語の地域もあります。)
アイルランド英語は、Irish English(アイリッシュ・イングリッシュ)の他に、Hiberno-Englishなどと呼ばれたりもします。
アメリカ英語に慣れている人からすると、聞き取りづらく感じられたりもするかもしれませんが、文法は他の国の英語と変わりません。(※微妙な違いはあったりします。)
アイルランド英語が「聞き取りづらい」理由
では、ここからは、一般にアイルランド英語が難しいと言われてしまう理由を細かく見ていきます。
アイルランド英語が聞き取りづらい理由
- アイリッシュアクセント(訛り)が難しい
- 単語(スラング)が難しい
- 単純に話すのが早いから難しい
実は、アイルランド英語は、先回りして知っていることが増えると急に聞き取れるところが増えてきたりもするんです。
詳しく見ていきます!
アイリッシュアクセント(アイルランド訛り)
アイルランド英語では、独特の音変があります。以下の特徴を知っているだけで聞き取りにだいぶ差が出ます。
① U → O [ア→オ]
まず、知っておきたいのは、u の音が o のように発音されるということ。
Dublin(ダブリン)はDoblin(ドブリン)になり、bus(バス)はbos(ボス)のように発音されます。
あまりカタカナ英語で説明すべきではないのですが、言うなれば、
「ア」っぽい音が「オ」になる!
この法則にのると、light(ライト)も「ロイト」っぽく聞こえます。
これを知らないと、簡単な単語もうまく聞き取れなかったりしますが、逆に、この法則を知っていれば、脳内変換で単語が聞き取れるはずです。
② 弱い T
アイルランドの英語では T の音がソフトに発音され、「シ」っぽい空気音だったり、無音になったりします。
but も「バッシ」または「バッ」になり、alright も「オーライシ」、what も「ワッ」となる感じです。
③ 引っ張る R
Rの音が口の中でこもったようになります。
Park(=公園)も「パーク」と口を縦に開けて言うよりも、口を横に引いて「パェーク」と言う感じです。(カタカナ表記は無理がある・・)
聞き取りにはさして支障の出ない特徴ですが、これがなんとなく東北訛りのような田舎っぽさを出す気が・・・(←失礼 笑 ・・ちなみに、これを書いてるたびわは東北の出身なのでご勘弁を。)
他にも音の特徴はありますが、以上の3つを知っているだけでも聞き取れる単語が増えるはずです!
アイルランドの単語(スラング)
日本語にもその地域独特の言い回しがあるように、同じ英語でもアイルランドでしか通じない単語があります。
簡単に例をあげると以下のよう。
アイルランド人のお気に入りことば
- grand=いい(=fine, good)
- gas =おもしろい(=funny, amusing)
- Fair play! =よくやった(=Well done!)
grand はかなり特徴的な単語で、イギリスでも一部通じるエリアもあるはずですが、ほぼアイルランドのみでの言葉と言ってよさそうです。
他にも、Sláinte(=乾杯)やcraic(=楽しい話・おもしろいこと)のように、アイルランド語の単語も使われます。
単語については、たくさん聞いて覚えるのが一番です。
アイルランド独特な単語やスラングを発見していくのはまた楽しいですよ!!
アイルランド人の英語は早い
フレンドリーと言われるアイルランドの人たちは話好きの人が多く、ノリノリになると特に早口です。
特に英語を母語としない人にとっては、彼らの話す速さは余計に早く感じるかもしれません。
この点に関しては、躊躇せず、ゆっくり話してくれるようお願いするのがいいですね。
地域で見るアイルランド英語
ざっくりとアイルランド英語の特徴をまとめましたが、アイルランドのエリアによってもまた英語の雰囲気は変わります。
タブリン
留学やワーホリ先として一番人気の首都・ダブリンでは、英語のクセは強くはないですが、ダブリンの北部と南部とでは発音の雰囲気が違っていたりもします。
コーク
アイルランドの南部に位置するコークも、留学先として人気のエリアですが、抑揚が強く、歌うようなアクセントがあり、アイルランド人からもよくネタにされてしまうようです。
コークよりさらに西のケリー州(Kerry)の英語は特にアクセントが強いと言われます。
羊が盗まれたというファーマーのMikeyさんの英語が聞き取れないとニュース映像が話題になったことや、CNNのリポーターとして有名になったアイルランド人ドニーさんのお父さんがケリー訛りの英語でインタビューに答える映像がX(旧Twitter)で出回ったことも・・(今は元ネタ動画は消されてしまっているようです・・)
でもそれは、本当にアクセントの強いエリアの話です。先に書いたように、ダブリンなどの主要都市では、ちゃんと聞き取れる英語が話されるのでご安心を。
One Directionメンバーで見るアイルランド英語
すでに触れたアイルランド英語の特徴以外にもまだまだま細かな特徴があります。
One Directionのナイル・ホーランは、アイルランドのマリンガー(Mullingar)出身で、彼の英語を主にイギリス英語との違いから解説している動画があります。
⇨ 動画はこちら:Learn Niall Horan’s Irish English Accent | Ireland
- thの発音の違い(d、tっぽく聞こえる:thatが「ダット」っぽく聞こえる、thickが「ティック」っぽく聞こえる)
- 「r」をきちんと発音する(イギリス英語では発音せず抜かすrもきちんと発音する)
- 「ア」→「オ」
などの点にも触れているので、見てみると面白いと思います。
解説の中では、他のOne Directionメンバーの発音の傾向に合わせたり、世界中の人が聞き手であることを意識して、ナイルが発音の調整もしているだろうとも指摘していますが、ナイルの英語でアイルランドらしい特徴を確認することができます。
アイルランド英語が聞ける映画
そんなアイルランド英語をもっと聞いてみたい人に向けて、ここではアイルランド英語がよく聞ける映画を2つ紹介します!
『シング・ストリート 未来へのうた』
『シング・ストリート 未来へのうた』はダブリンが舞台の音楽映画です。
特にソフトなTの音がたくさん聞こえてきて、アイルランドのイントネーションもよく感じられます。
この映画では、youの複数形を yous という、アイルランド的単語表現もよく出てきます。
ディレクターとして登場するダレンの英語は特にアイリッシュアクセント強めかも。
『Once ダブリンの街角で』
これもタイトルの通り、ダブリンが舞台。
ある男女の物語で、主役の女性の英語はチェコ語訛りになりますが、他の登場人物の英語はダブリン英語です。
アイルランドことばの「fair play(=よくやった)」も出てきますよ!
アイルランド英語はおもしろい
ということでアイルランド英語の特徴をまとめました。
全体の印象から言って、アイルランド英語はかなりソフトに聞こえると思います。
留学先を選ぶ時に、「訛りのないところがいい」という人がいますが、その国の文化でも風習でも、興味を持つことがあるなら、訛りなど気にせずその土地へ行ってみて欲しいと思います。
アイルランド英語に慣れると、弱いTのアクセントやイントネーションに親しみを覚えて、一言アイルランド人の発する英語を聞いただけですごく懐かしく感じたりもします!
是非、アイルランド英語らしい発音や言葉を楽しんでください!
コメント
こんにちわ!
アイリッシュイングリッシュ確かに聞きづらいかもしれませんね。
自身が以前住んでいたオーストラリアも英語は人によって
聞きづらかった記憶があります。
アクセントの違い、スラングの違いはキツかったです。
慣れれば段々大丈夫になりますけどね。
私は現地の移民でインドなまりの英語は更に聞きずらかったです。
こんにちは!コメントありがとうございます。
オーストラリアも特徴ありますね。スラングというか、やたらに言葉を略すのがさらに難しくさせますよね💦
インド訛りは強敵ですね(私も少し苦手です。。)
アイルランド英語の知識がなかった頃は一番聞き取りづらくて嫌いな英語でしたが、
慣れてしまえば一番好きな英語になりました😊
いろんな英語の特徴を楽しみたいですね!