アイルランドの公用語は英語とアイルランド語(アイルランド・ゲール語)です。
アイルランドではほとんどの場所で英語が使われますが、小学校ではみんなアイルランド語を学びます。
現地の案内表示や道路標識には必ず英語とアイルランド語の2つが表記され、アイルランド語も大切にされているのだとわかります。
ここでは、「アイルランド文化をより深く理解したい」「アイルランド語の便利なフレーズを学びたい」と考えている人のために、アイルランド語の覚えておきたい11の単語やフレーズを紹介します。
アイルランド語の基本の単語・フレーズ
アイルランド語の基本の単語とフレーズを紹介します。
※アイルランド語は地域により発音がかなり異なる場合があります。カタカタ表記は地域を限定せず、さまざまなエリアの発音を書き表しています。
1. こんにちは – Dia duit / Dia dhuit

アイルランド語で「こんにちは」は「Dia duit(ディア グイト)」といいます。(エリアによっては、「Dia dhuit」と書きます。)
言葉通り訳すと「God to you(=神のご加護を)」という意味合いです。
挨拶し返すときは、「Dia is Muire duit(ディア イス ムイリ グイト)」で、「God and Mary to you(=神とマリアのご加護を)」と返しましょう。
2. 乾杯 – Sláinte

アイルランド語で「乾杯」は「Sláinte(スロンチャ)」です。
アイルランドを知るなら、絶対に覚えておきたい単語の1つ。
英語の「cheers」で乾杯もいいですが、アイルランドやアイリッシュパブで飲むなら「Sláinte」と言って乾杯しましょう!
3. ありがとう – Go raibh maith agat

「Go raibh maith agat(グレ マフグ)」は「ありがとう」の意味です。
長くて読むのが難しいこのフレーズは、もとは「may you have goodness(=良いことがありますように)」という意味があります。感謝の気持ちで相手の幸せを願うって素敵ですね。
アイルランドでは「ありがとう」と伝えるときに「Thanks a million(=100万回のありがとう)」が使われることが多く、これをアイルランド語で言うと「Go raibh míle maith agat(グレ ミール マフグ)」となります。
ちなみに、英語で「For your information(=ご参考までに)」を「FYI」と書いたり、「Oh my God(=なんてこと!)」を「OMG」と書いたりすることがあるように、Go raibh maith agatも「GRMA」という表記ができるようです。
4. ようこそ – Fáilte

アイルランド語で「ようこそ」は「Fáilte(フォールチャ)」です。
アイルランドの観光地へ行けば、看板や標識に表記されているのを見かけることも多いでしょう。
「céad míle fáilte(ケードゥ ミール フォールチャ =100万回のウェルカム)」と言う表現もあります。
5. さようなら – Slán

「さようなら」はアイルランド語では「Slán(スローン)」です。
去る人が言う「slán agat(スローン アガット)」や残る人が去る人に向けて言う「slán leat(スローン リャット)」もあります。
「Slán go fóill(スローン ゴ フォイル)」で「またね」という意味になります。
6. おやすみ – Oíche mhaith

アイルランド語で「おやすみ」は「Oíche mhaith(イーォワ)」。(このフレーズは地域により発音がかなり異なる印象です。)
「よく寝てね(=sound sleep)」という意味の「Coladh sámh(コーラ ソー)」と一緒に言ってみましょう。
ちなみに、「おはよう」は「Maidin mhaith(マジン ワ)」と言います。
7. お願いします – Le do thoil

アイルランド語で「Le do thoil(レ ド ホイル)」は「please(お願いします)」の意味です。
ほかのことばに添えれば丁寧な表現にできる便利なフレーズです。
8. craic agus ceol

「craic agus ceol(クラック アガス キョール)」はアイルランドらしさのあるユニークなフレーズです。
訳せば「楽しみと音楽」となるのですが、日本語ではしっくりくる訳がないように思えます。
パブでの音楽演奏がはじまり、音楽を楽しむ人や踊りだす人たちの様子が思い浮かんだら、それが「craic agus ceol」です。
日常に馴染むアイルランド語
アイルランドでは英語が広く使われているため、現地でアイルランド語を実際に話す機会は多くはないかもしれません。
しかし、アイルランドでは日常に馴染んでいるアイルランド語もあります。
9. 警察 – Garda

アイルランドでは警察のことを「police(police officer)」ではなく、「Garda(ガーダ)」と呼びます。複数形になると「Gardaí(ガーディ)」です。
gardaは英語のguardian(保護者・守護者)にあたる単語で、警察の正式名称「Garda Siochana na heireann」は「アイルランド治安防衛団」の意味になるのだとか。(なんだか戦隊モノのヒーローみたい 笑)
10. ルアス(路面電車)- Luas

呼称としての意味合いが強くなりますが、ダブリンを走る路面電車の呼び名「Luas(ルアス)」も元はアイルランド語です。
「Luas」は「speed(スピード)」という意味。
路面電車のLuasはダブリンでは欠かせない移動手段の1つです。
ちなみにですが、ダブリンの電車はDART。これはアイルランド語に関係なく、Dublin Area Rapid Transitの頭文字を取ったものです。
11. アイルランド首相 – Taioseach

アイルランドには大統領も首相もいて、首相のことは「Taioseach(ティーショク)」と呼びます。
ちなみに、副首相は「Tánaiste(ターニシュテ)」。
英語のニュースでも、この2つの単語は英語に変換されずに使われます。
アイルランド語がおもしろい
アイルランドでは、義務として小学校でアイルランド語を学びますが、実際のところは使う機会がなく、忘れてしまったという人も多いです。
しかし、その一方で、日常的にアイルランド語を使っている人たちもいて、アイルランド語を守っていこうとする思いも強くあります。
英語のスペリングとは全く違い、読むのが難しいアイルランド語ですが、逆にそれがおもしろいとも感じませんか?
基本フレーズを使いこなして、アイリッシュたちをちょっと驚かしてみましょう。
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