アイルランドの主要言語は英語ですが、もともとの言語であるアイルランド語(アイルランド・ゲール語)も大切にされています。
アイルランド語は英語や日本語とは全く異なる特徴を持ち、特にスペリングと音の関係は、単語を知れば知るほど(難しい….と思いつつ)おもしろいものです。
ここでは、アイルランド語の解説サイトを読み漁り、アイルランド人にも教えてもらいながら集めたアイルランド語の季節の挨拶やお祝いのフレーズをまとめています。
アイルランド人へのお手紙や特別なときのメッセージなど、アイルランド語を使いたときの参考にしてください。
アイルランド語の基本|文法知識
アイルランド語のフレーズを見ていく前に、簡単にアイルランド語の文法について解説します。
アイルランド語は、話しかける相手が1人か複数人かで呼びかけのことばが変わる言語です。(日本語で「あなた」と「あなたたち」のように言い方が変わるのと同じ感覚ですね。)
下記のように、話しかける状況に応じて単語が変わります。
1人に話しかけるとき:duit(ドゥイトゥ/グゥイトゥ)/dhuit(ドゥイトゥ/グゥイトゥ)または ort(オート)
複数人に話しかけるとき:daoibh(ドゥイーブ)または oraibh(オーリー)
語形変化などもっと細かなルールがありますが、アイルランド語のお祝いフレーズを見ていくうえでは、この話しかける相手により単語の使用が変わるということを覚えておいてください。

ちなみに、英語では「you」を使って「あなた」も「あなたたち」も両方表せますが、アイルランド人が英語で複数の人に話す時に「yous」を使うのはアイルランド語の影響もあるのかもしれません。
アイルランド語で伝える基本の5つのお祝いフレーズ
アイルランド語のお祝いのフレーズで、使う頻度が高そうなものを5つ紹介します。
*ここでは少し邪道ではありますが、発音の感じがわかるようできるだけ近い音をカタカナ表記しています。
1. メリークリスマス/ハッピークリスマス – Nollaig Shona

「Nollaig Shona(ノーリクホーナ)」で「メリークリスマス(Happy Chiristmas)」です。
「Nollaig」 が「クリスマス」を、「Shona」 が「ハッピー(メリー)」を意味し、英語や日本語と異なり、後ろから修飾する形をとります。
- 1人に向けて言う時:Nollaig Shona duit!(ノーリクホーナ ドゥイトゥ)
- 2人以上に言う時 :Nollaig shona dhaoibh!(ノーリクホーナ ドゥイーブ)
2. 明けましておめでとう – Athbhliain Faoi Mhaise

「Athbhliain faoi Mhaise(アッフリン フイ ワシャ)」で、「明けましておめでとう(Happy New Year)」です。
「athbhliain」は「新しい年」を意味し、「faoi mhaise」で「繁栄した」の意味を表します。
新年を迎える前に「よいお年を」という意味合いで使うこともできます。
- 1人に向けて言う時:Athbhliain faoi Mhaise duit!(アッフリン フイ ワシャ ドゥイトゥ)
- 2人以上に言う時 :Athbhliain faoi Mhaise dhaoibh!(アッフリン フイ ワシャ ドゥイーブ)

「Happy Christmas and Happy New Year(=メリークリスマス&よいお年を)」という年末お馴染みのフレーズは、アイルランド語で「Nollaig Shona agus Athbhliain faoi Mhaise daoibh(ノーリクホーナ アガス アッフリン フイ ワシャ ドゥイーブ )」といいます。
3. お誕生日おめでとう – Lá Breithe Sona

「Lá Breithe Sona(ロー ブレへ ソナ)」で「お誕生日おめでとう(Happy birthday)」です。
「Lá Breithe」は、「Breithlá(ブレロ)」と一語にすることもでき、Breithlá Sonaもまた「お誕生日おめでとう」となります。
- 1人に向けて言う時:Lá breithe sona duit!(ロー ブラへ ソナ ドゥイトゥ)
4. おめでとう – Comhghairdeas!

「Comhghairdeas!(フゴージャス)」は「おめでとう(Congratulations)」の意味です。
最初の音はのどから出すような発音となり、地域により発音に違いが出るようです。
comhghairdeas(teanglann.ie)
「gairdeas」が「喜び」の意味で、ことばとしては「喜びとともに」と伝えていることになります。
5. 頑張ってね! – Go n-éirí leat!

「頑張ってね!(Good luck!)」と声を掛けるときのアイルランド語は、「Go n-éirí leat!(グナイリ ラット)」です。
イベントにあわせて使えるアイルランド語の3つのフレーズ
アイルランドの大切な行事にあわせて使えるアイルランド語のフレーズを3つ紹介します。
6. ハッピー・ハロウィン – Oíche Shamhna Shona

「Oíche Shamhna Shona(イーハ ハウナ ホーナ)」で「ハッピー・ハロウィン(Happy Halloween)」です。
先にアイルランド語の「メリークリスマス」の言い方で見たように、Shonaは「ハッピー(happy)」を意味し、Oíche Shamhnaで「サウィン前夜(Samhain Eve)」を意味します。
ハロウィンは「サウィン」というケルトのお祭りに関連しています。
11月1日がサウィン本番で、ハロウィンとされる10月31日は元はサウィンの前夜祭でした。
そのため、アイルランド語で「ハッピーハロウィン」という時は、「ハッピーサウィンイヴ(=サウィン前夜)」という言い方をします。
Oíche Shamhna(teanglann.ie)
ちなみに、Oícheは「夜(night)」の意味もあり、Oíche mhaith(イーォワ)で「おやすみ」になります。(そのまま訳すと「夜 良い」となり、こちらも後ろから修飾する形です。)
- 1人に向けて言う時:Oíche Shamhna shona duit!(イーハ ハウナ ホーナ ドゥィトゥ)
- 2人以上に言う時 :Oíche Shamhna shona daoibh!(イーハ ハウナ ホーナ ドゥィーブ)
7. ハッピー・セントパトリックスデー – Lá Fhéile Pádraig sona

3月17日のアイルランドの祝日「セントパトリックスデー」のお祝いなら、「Lá Fhéile Pádraig sona(ラーレ パードリグソナ)」で「ハッピー・セントパトリックスデー(Happy St.Patirck’s Day)」となります。
文の頭は「ラーレ」に近い発音になり、「Fhéile」はほとんど文字通り発音されていないように聞こえます。
Lá Fhéile Pádraig(teanglann.ie)
「お誕生日おめでとう」のアイルランド語表現でもそうだったように、「Lá」は「日 (day)」を意味し、「Sona」は「happy」を意味します。
アイルランド語は後ろから意味の修飾があるのとあわせて覚えましょう。
- 1人に向けて言う時:Lá fhéile Pádraig sona dhuit!(ラーレ パードリグソナ グゥイドゥ)
- 2人以上に言う時 :Lá fhéile Pádraig sona daoibh!(ラーレ パードリグソナ グゥイーブ)
8. ハッピー・イースター – Beannachtaí na Cásca

「Beannachtaí na Cásca(バナフティ ナ コースカ)」で「ハッピー・イースター(Happy Easter)」です。
そのまま訳すと「Blessings of Easter on you!(イースターの祝福があなたにありますように)」といった意味合いになるようです。
- 1人に向けて言う場合:Beannachtaí na Cásca ort!(バナフティ ナ コースカ オートゥ)
- 2人以上に言う場合 :Beannachtaí na Cásca oraibh!(バナフティ ナ コースカ オーリー)
アイルランド語でお祝いの気持ちを伝えよう!
季節やイベントに合わせて使えるアイルランド語のフレーズを紹介しました。
スペルや発音が難しいものもありますが、手紙やメッセージで伝えるならここにあるフレーズをコピーするだけで伝えられます。
アイルランド語のお祝いフレーズを使いこなして、アイルランドの文化やアイルランドの人たちとのつながりを深められるといいですね。
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